「E-映画三昧」とは


「映画を見るとは何か」とでも題すべき第1部の三章では、フィルムというテクストに重点が置かれ、スクリーンのうえに見たはずのものが見えていなかったとすれば、それはいかなる理由によってなのか、よりよく見るためにはどうすればよいのかが検討される。それは、不可視にとどまっていたことをすべて見えるようにする試みであり、「映画を見る」とは究極的にはどのような行為なのかについての仔細な検討である。この目的を実行に移すため、著者は究極の映画観客を想定する。「理想的な観客」は「一本のフィルムのすべてのショット、すべてのシーンの視覚的、聴覚的相関関係に高度に自覚的な実践家」で、「映画を見ながら、それが自分の内に巻き起こす感情の奔流に身をまかせ、しかも各ショット、各シーン、各シークェンスの構成を映画の全体的文脈の中でつねに反芻しながら見る聴くこと」ができる。つまり「理想的な観客」とは、一本のフィルムの「すべて」を蕩尽しようという観客のことである。

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